福岡県直方市の米菓会社「もち吉」が製造・販売した和菓子「えん餅」から高濃度の殺虫剤成分「フェニトロチオン」が検出された問題で、製造にかかわっていた40代の男性従業員が19日に自殺していたことが分かった。「私がやりました」という内容の文書を同社にファクスで送ってきたといい、同社はこの従業員が混入に関与したとみている。
同社によると、従業員は正社員で、えん餅のあん製造を担当していた一人。19日午前6時ごろ、同社にファクスで「仕事になじめなかった。私がやりました。申しわけありません」という内容の文書が送られてきたという。
同社は県警に相談。警察官が従業員の行方を捜したところ、同日に同県飯塚市内の山中で首をつって死んでいるのを見つけた。
文書にある「仕事になじめなかった」という点について、同社は「調査中」としている。文書は、自ら希望した包装作業のラインから製造作業のラインに配置が換わったことなどを挙げているという。
県や同社のこれまでの調査で、10月29日に製造されたえん餅のあんから食品衛生法に定める基準値(0.01ppm)の約7000倍にあたる70〜1.1ppmのフェニトロチオンを検出。通信販売で購入した19人のうち11人から、10月30日〜11月2日に「臭気や舌先に刺激を感じた」といった苦情などが寄せられた。健康被害などは確認されていない。
同日製造のえん餅は7114個で、6000個は工場で保管されているが、298個が通信販売で、816個は全国各地の百貨店などで販売されたとみられている。同じあんは10月28日〜11月2日の製造分に含まれている恐れがあることから、県は計14万5128個の自主回収を同社に指示。同社は15日にえん餅の生産を停止し、回収を進めている。
これまでの調査で、原料である小豆の残留農薬の可能性や流通・販売過程での混入の可能性は低いことが判明。県警も製造時の人為的な混入の疑いが強いとみて偽計業務妨害容疑などで捜査していた。【入江直樹】
もち菓子から農薬検出=基準値の7000倍−福岡県
タグ:もち吉
【もち吉の最新記事】


